製品情報トップ > はんだ付けを学ぼう > ヒカル君のはんだ付け奮闘記 > 第9話 「フロー!リフロー!」の巻
おはようごさいます。
おはよう。どうじゃ、ヒカル君。会社にも少しは慣れたか?
はい、大分慣れました。
そうか、そうか。そいつはなによりじゃ。
さてと、今日は色々なはんだ付け方法について話をしようかのう。
はい、以前話された、リフローとかフローとかいうはんだ付けですね。
そうじゃ、そうじゃ。よく覚えておったのう。
電化製品などの基板に使われている電子部品の数は膨大じゃ。
これを1つ1つはんだ付けしていたのでは時間がかかってしまうし、コストも目が飛び出るほどになってしまうわい。 はんだ付けする作業者もたまったもんじゃないわな。
何だか面白そうですけどね。
製品を1つだけ作るにはそうかもしれんが、量産するとなるとそんな事は言ってられんぞ。
そうですね。
そこでじゃ、今日は一度に大量の電子部品をはんだ付けする方法を説明しよう。
なんだかテレビショッピングみたいですね。
ばかもーん!
す、すいません。
まったく、いちいち一言多い奴じゃ。
はんだ付け方法には大きく分けて3つある。「こてはんだ付け法」「浸漬(ディップ)はんだ付け法」「リフローはんだ付け法」じゃ。「こてはんだ付け法」は分かるな?
はい、もちろんです。
「浸漬(ディップ)はんだ付け法」というのは、溶けたはんだにはんだ付けしたい部分を浸してはんだ付けする方法じゃ。溶けたはんだで直接はんだ付け部分を加熱してやるんじゃ。 図に描くとこうじゃ。
確かに、この方法だと一度に全部はんだ付けできますね。
なるほどー。
しかしじゃ、この方法じゃと、表面のはんだが酸化してしまって、はんだ付け不良の原因になってしまうんじゃ。
酸化ですか。
そうじゃ、特に、はんだの中のスズが空気中の酸素と結びついてしまうんじゃ。
そのために、表面にできた酸化膜をこまめに取り除いてやらねばならん。
そこで、はんだ付けに使われる部分のはんだの表面を常に酸化膜のないものにする為に考え出されたのが、噴流はんだ槽じゃ。フローはんだ付けはその中でもっとも一般的なものじゃ。
図に描くとこんな感じじゃな。
ポンプで攪拌しているから、常に新しいはんだが表面に現れるというわけですね。
そうじゃ。うちでいうと485じゃな。
ただし、常に新しいはんだが表面に現れるということは、次々と酸化していくわけじゃから、当然酸化物の量は多くなるわな。
なるほど、でもこれは便利ですね。でもこの方法だと表面実装する部品は、はんだ槽に落ちてしまうんじゃないですか?
そうじゃ。接着剤で固定しておいてから、はんだ付けしたりするが、表面実装部品をはんだ付けする場合、リフローはんだ付け法を用いるのが一般的じゃな。
リフローにフロー・・・何だかまぎらわしいな。
何をぶつぶつ言っておるんじゃ。
リフローというのは、何かしらの方法でパターンにはんだをのせる。
何かしらの方法って言われても・・・
いちいちうるさい奴じゃのう。ちゃんと説明するから黙っとれ!
例えば、あらかじめはんだめっきしておくとか、円板やワッシャ、球体のように使用用途に合うように成形したはんだをフラックスの上にのせる方法。あとはクリームはんだといってフラックスとはんだ粉を混ぜ合わせてペースト状になったものをパターンに印刷する方法などがある。
一般的にはクリームはんだを印刷する方法が用いられておる。
パターンにはんだがのったら、そこに実装部品をのせる。あとは何かしらの熱源ではんだを融かしてはんだ付けするんじゃ。
熱源の種類によって赤外線リフロー法、レーザーリフロー法などに分類される。
図で示すとこうじゃ。
なんだかピザトーストみたいですね。
ふぉっふぉっふぉっふぉっ。言われてみるとそうかもしれんのう。
でも、こんなに便利な方法があるんだったらはんだごての出番はなさそうですね・・・
それが、そうでもないんじゃな。