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はんだ付けを学ぼう

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第1話「ヒカル君、ホームセンターで立ち尽くす…。」の巻

登場人物

  • ヒカル君
  • よっちゃん
  • 田中さん

ねー、お兄ちゃん見て見てー。
この車かっこいいでしょう?すごく速いんだよ。

かっこいいね。一度走らせてみてよ。

いいよ。
ん?あれ、動かないや。おかしいなさっきまで動いてたのに。
ちょっとお兄ちゃん見てみてよ。

え?まあ見るだけなら。
あ、この配線が切れてるね。
このせいだよ。

お兄ちゃん直してよ。

え?で、できないよー。

おい、ヒカル!
それぐらい はんだ付け して直してやれ!

えー!?はんだ付け?

ヒカル君ははんだ付けグッズを買いにホームセンターへ

えー? はんだこて って、こんなに種類があるの?
ニクロムヒーターとセラミックヒーター?
どれを買えばいいか分らないよ。

ヒカル君が はんだこて コーナーで立ち尽くしているところに田中先輩登場。

やぁ、ヒカル君じゃないか、元気?

あっ、田中先輩!ちょうどいいところに来てくれましたね~。先輩、電子工作とか得意ですよね。

まあ、それが仕事だからね。で、どうしたの?

実は…というわけで はんだこて を 買いにきたんですけど、種類が多くってどれを買えばいいのかわからないんですよー!

何だ、そんなことか。

ニクロムヒーターとかセラミックヒーターとか書いてあるんですけど、さっぱりわかんないんですよ。

ニクロムヒーターというのはニクロム線を巻いて作ってあるんだよ。このヒーターを使うものには、こて先を外側から加熱するタイプのものが多いね。この「RED(レッド)」もそうだ。簡単に描くとね、こんな感じかな。(図1)

図1 「ニクロムヒータを使ったはんだこて」

なるほど。じゃあ、セラミックヒーターは?

セラミックヒーターというのはタングステンで作ったヒーターをセラミックで包んだ形になっているんだ(図2)。たとえばこの「DASH(ダッシュ)」「FX-600」。このような形状の場合、こて先自体がヒーターを包むようになっているから、さっきのニクロムヒーターのものと比較すると、ほとんどの熱がこて先に伝わって、こて先を効率よく温めることができるんだ。そして何よりも一番の長所はヒーターの温度が低いときは抵抗値が小さいこと。抵抗値が小さいと、たくさん電流が流れるから、こて先を急速に加熱することができるんだ。20Wのセラミックヒーターだと電源を入れた瞬間には60~70Wぐらいになるんだよ。」

図2 「セラミックヒーターを使ったはんだこて」

へー、なるほど。じゃあ、ニクロムヒーターのものよりセラミックヒーターの方がいいんだ。

ん~。でも、ラジコンや模型など配線のはんだ付けをするにはニクロムヒーターの「RED」で十分だよ。なによりもセラミックヒーターのものと比べて値段もお手頃だし。

へ~。

大事なのは、作業にあったものを選択するってことなんだ。ただ、この先いろんな用途に使うなら、それらに十分対応できるものを買ったほうがいいかもね。

あとついでに聞いちゃいますけど、この「DASH」にはW数の表示しかありませんけど、「FX-600」にはW数と温度が書いてありますよね。それに「FX-600」のほうがW数が大きい。これはどうしてですか?

難しいこと聞くね。じゃあ、 はんだこて の種類について説明しようか。

ヒーターの違いだけじゃないんですか!