はんだ付けできない(こて先がはんだをはじく / はんだが溶けない)
こて先の酸化が原因です。
こて先がはんだをはじいたり、はんだが溶けにくくなるのは、こて先の酸化が原因です。
こて先が酸化していると熱の伝わりが悪くなり、良好なはんだ付けができなくなります。
使用中のはんだこてはとても高温なので、こて先は酸化しやすく、こて先にはんだを送ってもはんだをはじいてぬれ拡がらなくなってしまうことがあります。
※酸化して黒色化したこて先
はんだがはじかれて表面張力で丸くなっています
こて先が酸化したときの対処方法
こて先クリーニングをしてこて先の酸化物を除去し、ぬれを再生します。
クリーニングワイヤーとヤニ入りはんだ を使ったこて先クリーニング
- クリーニングワイヤーで酸化した部分を取り除きます。
- はんだこてを250ºC位の温度に設定し、はんだを送る → クリーニングワイヤーでぬぐう、を数回くりかえします。
- ぬれが復活したら、酸化防止のため、こて先をはんだで覆います。
使用した製品
クリーニングワイヤー 599B
ケミカルペースト FS-100 を使ったこて先クリーニング
こて先温度は 350ºCくらいが適温です。
- ケミカルペーストではんだめっき(酸化物を除去)します。
- クリーニングスポンジやクリーニングワイヤーでこて先に残ったケミカルペーストをぬぐいます。
- こて先にはんだを送り、こて先にはんだがぬれ拡がるかを確認します。
- こて先にはんだがぬれ拡がるまで1~3を2回以上くり返します。
- ぬれが復活したら、酸化防止のため、こて先をはんだで覆います。
使用した製品
ケミカルペースト FS-100
こて先クリーナー FT-700 を使ったこて先クリーニング
こて先温度は 350ºCくらいが適温です。
- こて先クリーナーで炭化物や酸化物を除去します。
- ケミカルペーストではんだめっき(酸化物を除去)します。
- 酸化物が完全に除去されるまで1~2を2回以上くり返します。
- こて先に残ったケミカルペーストを取り除きます。
- ぬれが復活したら、酸化防止のため、こて先をはんだで覆います。
使用した製品
こて先クリーナー FT-700
こて先クリーニングをしてもぬれが復活しない場合は、新しいこて先と交換してください。
こて先の酸化を防ぐために
ポイント1. こて先をいつもはんだで覆い、空気に触れないようにする
こて先は空気(酸素)に触れると酸化してしまいます。
作業のあいまにはんだこてをこて台におくときは、こて先表面のはんだはぬぐわずにおきます。
作業終了後は、こて先をクリーニングしてからこて先に新しいはんだを送り、こて先の表面がはんだで覆われた状態にします。
ポイント2. クリーニングワイヤーを使ってこて先クリーニングをする
クリーニングワイヤー HAKKO 599B を使ってこて先クリーニングをすると、クリーニング後も若干のはんだがこて先に残り、はんだ付け作業中のこて先酸化を防ぎます。
クリーニングワイヤー 599B
ポイント3. 使用しないときはこまめに電源をきる
ポイント4. 設定温度をできるだけ低くする(必要以上に温度を上げない)