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メンテナンス・対処方法・使用方法

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マイクロソルダリング こて先形状の選び方

はんだ付け作業においてこて先の役割は重要です。形状一つで作業性が大きく変わることがあります。

ここでは 基板へ電子部品搭載のはんだ付けを例にして、こて先形状・サイズ選びの基本をご紹介します。

こて先には様々な形状・サイズがあります。

1. こて先選びの基本

基板と電子部品の熱容量(大きさ、形状)を考慮します。
こて先から、基板と電子部品へ熱容量が確保できる大きさ、はんだ付けポイントに対して効率よく熱を伝えるために接触面積が大きくとれるこて先を選ぶことが基本です。
基板と電子部品の熱容量(大きさ、形状)を考慮し、対象基板やランドなどの大きさに合わせてこて先形状を選定します。
このときランド径より大きくなり過ぎないように注意してください。


こて先が大きい・太いと効率よく熱が伝わる
接触面積が大きいと効率よく熱が伝わります。 

こて先が小さい・細いと熱が伝わりにくい
接触面積が小さいとうまく熱が伝わりません。
こて先が大きすぎると基板を傷つける可能性があります

こて先形状がランド径より大きすぎると、必要以上に熱を伝えてしまい、ランド剥離など基板を傷つける可能性があります。

2. こて先形状とサイズをしぼりこむ

次に、作業に適したこて先形状とサイズをしぼりこみます。
「部品間が狭い」「隣に背の高い部品がある」「ブリッジが発生しやすい」などのはんだ付け作業を理解して選定していくことが大切です。

部品間が狭い
隣に背の高い部品がある
ブリッジが発生しやすい

各こて先形状の特徴について

3. 使いやすいと感じるこて先を選ぶ

こて先を選ぶポイントは、基板と電子の熱容量(大きさ、形状)作業性等を考慮して数種類検討し、最終的には作業される方が、使いやすい(使いやすそう)と感じるこて先を選定してください。

選んだこて先を使用してはんだ付け不良が頻繁に起こるようであれば、最初からこて先を選びなおしたり、はんだこて本体を見直す必要があります。
 

各こて先形状の特徴

 

B型

先端が円すい型のえんぴつのような形状。
こて先のあて方により幅広い作業に使用できます。

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チップ部品のはんだ付け

ランドにこて先の先端をあてて、はんだを送りながらゆっくりとこて先を引いていきます。

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引きはんだ

こて先の先端をリードにあてて、ゆっくりこて先を引いていきます。

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B型
 

BC/C型

円すい/円柱を斜めにカットした形状。
ほかの形状と比べて太く熱容量が大きいのが特徴で、先端の面を使いはんだ付けします。

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チップ部品のはんだ付け

ランドにカット面をあてて、はんだを送りながらゆっくりこて先を引いていきます。

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リード線の予備はんだ

リード線にカット面をあてて、はんだを送りながらゆっくりこて先を引いていきます。

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コイルの被覆はがし

コイルと端子を同時にあたためて、はんだを送ります。

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BCC型
C型
 

BCF/CF型

BC/C型の先端面部分にのみはんだめっきを施した形状。
側面にはんだが流れないので、隣接する部分がある場合はBC/C型よりもBCF/CF型が適しています。

BC型とBCF型、C型とCF型の違いについて BC型とBCF型、C型とCF型の違いについて を閉じる

BC/C型
BC/C型
特徴
こて先のはんだめっきが先端より数mmの距離まである
お勧め用途
  • カット面で熱容量が必要なときに
  • 隣接する部品がない場合に
BCF/CF型
BCF/CF型
特徴
こて先のはんだめっきが先端のカットされた面のみにある
お勧め用途
  • 隣接する部品がある場合に
  • ブリッジになりやすい場合に

BC型とBCF型・C型とCF型の違いを動画で見る

BCF型
CF型
 

BCM/CM型

BC/C型の先端部分にくぼみがある形状。
くぼみにたまったはんだの表面張力によりブリッジを抑止するので、引きはんだに適しています。

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引きはんだ

くぼみにはんだを送りながら、ゆっくりこて先を引いていきます。

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BCM/CM型
 

D型

マイナスドライバーのような形状。
B型よりも広い面で接することができ、チップ部分のはんだ付けや引きはんだに適しています。

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チップ部品のはんだ付け

ランドにこて先の先端をあてて、はんだを送りながらゆっくりとこて先を引いていきます。

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引きはんだ

リードにこて先の先端をあてて、ゆっくりこて先を引いていきます。

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ポイントはんだ

(QFP)リードにこて先の先端をあてて、ゆっくりこて先を引いていきます。

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D型
 

I型

先端が円すい型でB型をさらに細くした形状。
微小部品や狭小スペースのはんだ付けに適しています。

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微小部品のはんだ付け

先端が細いため、微小部品でも楽に作業できます。

狭小スペースのはんだ付け

B型では隣接する部品に接触するような狭小ピッチでも、I型なら楽に作業できます。

I型
 

J型

I型やD型の先端を曲げた形状。
曲げた部分を利用した引きはんだや、狭小スペースのはんだ付けに適しています。

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引きはんだ

先端の腹の部分を寝かせ、ゆっくりこて先を引いていきます。

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ブリッジの修正

はんだ量が少ない場合
先端をたてながら、ゆっくりこて先を引いていきます。

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はんだ量が多い場合
先端の腹の部分を寝かせ、ブリッジ部分のはんだにあてながらゆっくりこて先を引いていきます。

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狭小スペースのはんだ付け

J型なら自然な角度でグリップを保持することができます。

J型
J型
 

K型

ナイフのような形状。
刃面を寝かせて引きはんだに使用したり、刃面や刃先を立てて微小部品や狭小スペースのはんだ付けに使用します。

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引きはんだ

(QFP)リードに刃全体を寝かせるようにあてながら、ゆっくりこて先を引いていきます。

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狭小スペースのはんだ付け

刃の部分を立てて先端をICチップのリードにあてます。

K型
 

溝付き/V溝付き型

こて先の先端に溝を施した形状。
挿入実装部品のリードやランドに対し広い範囲で接触し加熱するので、熱供給が非常に良いのが特徴。
挿入実装部品のフローアップ不足解消に効果的です。

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フローアップ不足
フローアップ良好
溝付き型
V溝付き型
 

スパチュラ型

幅の広いIC・コネクターなどの1辺を一度に加熱できるタイプ。
フレキシブル基板の熱圧着、シールドケースのはんだ付けなどに最適です。

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BGAのランドのクリーニング
  1. フラックスを塗布します
  2. こて先を基板にあてます
  3. ゆっくりこて先を引いていきます

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コネクタのはんだ付け
  1. リード線にフラックスを塗布します
  2. コネクタをあたためます
  3. ピンセットなどで取り外します
スパチュラ型