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メンテナンス・対処方法・使用方法

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ステーションはんだこての保守点検方法

ステーションタイプのはんだこては、こて先温度に加え、リーク電圧とアース間抵抗を測定し、日常管理することをおすすめします。

 

点検1. こて先温度の測定

こて先温度の測定方法

  1. SELECTボタンを押してモード表示を ”TEMP” にします。

  2. 測定する前にこて先に付着しているはんだを除去します。

    こて先に付着しているはんだを除去します。
  3. こて先に新しいはんだをなじませます。

    こて先に新しいはんだをなじませます
  4. こて先をセンサー測温部にのせ、はんだをこて先に供給します。

※こて先の形状によってこて先のあて方が変わります。

センサー測温部へのこて先のあて方 センサー測温部へのこて先のあて方

  1. センサー測温部に対し、こて先を水平にのせます。
  2. こて先はんだめっき部の中央をセンサー測温部にのせます。
  3. こて先をセンサーに軽くのせて測定します。

センサー切れの要因となるのでこて先をセンサーに強く押しつけないでください。

OK
OK
NG
NG

写真のセンサーは旧センサー(品番 191-212 )です。

温度が安定するまでこて先を動かさないでください。

測定はエアコンなどの風があたらない場所でおこなってください。

こて先形状別の測定例

B型・I型・D型 の測定例
B型・I型・D型 の測定例
(はんだめっき部の中間で測定)
BC型・C型 の測定例
BC型・C型 の測定例
(面のみはんだめっきも含む)
  1. 表示値を読みます。

  2. 2~5を繰り返し、一番高くでた温度を確認します。

設定温度と測定温度が大きく異なる場合

設定温度より測定温度が高い場合 設定温度より測定温度が高い場合

温度補正(オフセット値入力 / CAL調整)をしてください。

オフセット値の設定
『こて先温度』が『設定温度』より高い場合は、マイナス方向のオフセット値を入力します。
『こて先温度』が『設定温度』より低い場合は、プラス方向のオフセット値をへ入力します。
オフセット表示 -50 000 050
温度補正範囲 -50℃ 0℃ +50℃
こて先温度 低くなる    高くなる

オフセット値の算出方法

  1. こて先温度を測定し、『設定温度』と『こて先温度』の温度差を確認します。
  2. FX-951 本体にカードを挿入し、“ # ”ボタンを押して現在のオフセット値を確認します。
  3. 現在のオフセット値(2)と現在の温度差(1)から新しいオフセット値を算出します。

    オフセット値 + 温度差 = 新しいオフセット値

例1)設定温度: 360ºC  こて先温度: 395ºC
オフセット値: 10の場合
  • 温度差
    360ºC - 395ºC = -35ºC
  • 新しいオフセット値
    10 + (-35ºC) = -25

⇒ 新しいオフセット値として「 -25 」を入力します。


例2)設定温度: 360ºC  こて先温度: 320ºC
オフセット値: -20の場合
  • 温度差
    360ºC - 320ºC = 40ºC
  • 新しいオフセット値
    -20 + 40ºC = 20

⇒ 新しいオフセット値として「 20 」を入力します。

CAL調整

CAL調整はドライバーなどの工具を差し込み、CALツマミを調整します。

ツマミを右に回すと温度があがり、 左に回すと温度が下がります。

設定温度より測定温度が低い場合 設定温度より測定温度が低い場合

原因として、以下が考えられます。

  • 温度計のセンサーが劣化している。

    センサーが劣化すると、正しい温度が測定できず測定温度が低くでることがあります。新しいセンサーと交換してください。

     

    センサー交換の目安

    AS5000 の場合
    1,500回程度の測定
    191-212 の場合
    50回程度の測定
    劣化したセンサー。さらに劣化が進むと、センサーが切れることがあります。
      ※写真は劣化した191-212センサーです。
  • こて先・保護パイプ・袋ナットが酸化している

    こて先・保護パイプ・袋ナットがが酸化すると、熱伝導が悪くなって温度が低く出ることがあります。新しい部品と交換してください。

    部品が参加してしまったHAKKO 907
  • 温度の微調整(オフセット値の変更 / CAL調整)を行なった後にこて先形状を変更した。

    こて先形状によって長さや重量が異なるため、こて先形状を変更すると熱容量が変わって温度が低くでたり高くでたりすることがあります。使用するこて先で温度の微調整(オフセット値の変更 / CAL調整)をしてください。

 

点検2. リーク電圧の測定

リーク電圧の測定方法

正常なリーク電圧の目安

リーク電圧は低ければ低いほど良いとされています。
MIL規格の「MIL-STD 2000A」では 2mV以下 にするよう規定されており、白光ではこれに準じて出荷時に検査しています。

※MIL規格:アメリカの軍事規格(現在は廃止)

  1. 測定するはんだこての電源プラグを FG-101B本体のコンセントに差し込みます。
    はんだこてを最高温度に設定し、その温度に到達するのを待ちます。

  2. SELECTボタンを押してモード表示 ”mV” にします。

  3. AUTO ZEROボタンを押して、通常表示に戻るまで待ちます。

    AUTO ZEROによる補正値は本体に記録されるので、電源を切っても補正値は次回からも有効です。

  4. こて先をクリーニングして新しいはんだをのせます。

  5. 伝導プレートの中央部にはんだを盛り、良好なはんだぬれが形成されるまで加熱します。

    伝導プレートとこて先の接触を確実にするため、伝導プレートにはんだを盛ります。
  6. 表示値が安定したら読み取ります。

リーク電圧が高い場合 リーク電圧が高い場合

長期使用によりヒーターが劣化(酸化)したりするとリーク電圧が高くなり、はんだ付け時にこて先から基盤や部品へ電流が漏れて悪影響を及ぼします。

  • ヒーターが劣化(酸化)している場合
    酸化して黒くなったヒーター

    ヒーターを交換してください。

  • その他の部品が酸化している場合
    部品と部品が接触する部分をスチールウールなどで軽くこすって酸化物を取りのぞいてください
    酸化している先端部分はスチールウールなどでこすって酸化物を取りのぞき、末端部分に付着しているフラックスなどの汚れはアルコールでふき取ってください。

    スチールウールまたは目の細かいサンドペーパーで酸化物を除去してください。

 

点検3. こて先 - アース間抵抗の測定

こて先 - アース間抵抗の測定方法

正常なこて先 - アース間抵抗の目安

こて先-アース間の抵抗もリーク電圧と同様に低ければ低いほど良いとされています。
MIL規格の「MIL-STD 2000A」では 5Ω以下にするよう規定されており、白光ではより厳しい 2Ω以下 に規定し、出荷時に検査しています。

※MIL規格:アメリカの軍事規格(現在は廃止)

  1. 測定するはんだこての電源プラグを FG-101B本体のコンセントに差し込みます。
    はんだこてを最高温度に設定し、その温度に到達するのを待ちます。

  2. SELECTボタンを押してモード表示 ”OHM”にします。

  3. AUTO ZEROボタンを押して、通常表示に戻るまで待ちます。

    AUTO ZEROによる補正値は本体に記録されるので、電源を切っても補正値は次回からも有効です。

  4. こて先をクリーニングして新しいはんだをのせます。

  5. 伝導プレートの中央部にはんだを盛り、良好なはんだぬれが形成されるまで加熱します。

    伝導プレートとこて先の接触を確実にするため、伝導プレートにはんだを盛ります。
  6. 表示値が安定したら読み取ります。

こて先 - アース間抵抗が高い場合 こて先 - アース間抵抗が高い場合

こて先・保護パイプ・袋ナットなどに酸化物・フラックスが付着したのが原因でこて先 - アース間の抵抗が高くなります。
こて先 - アース間の抵抗が高くくなると、リーク電圧が高くなる原因にもなります。

  • こて先・保護パイプ・袋ナットの酸化
    部品と部品が接触する部分をスチールウールなどで軽くこすって酸化物を取りのぞいてください
    酸化している先端部分はスチールウールなどでこすって酸化物を取りのぞき、末端部分に付着しているフラックスなどの汚れはアルコールでふき取ってください。

    スチールウールまたは目の細かいサンドペーパーで酸化物を除去してください。