ステーションタイプのはんだこては、こて先温度に加え、リーク電圧とアース間抵抗を測定し、日常管理することをおすすめします。
点検1. こて先温度の測定
こて先温度の測定方法
- SELECTボタンを押してモード表示を ”TEMP” にします。
- 測定する前にこて先に付着しているはんだを除去します。
- こて先に新しいはんだをなじませます。
- こて先をセンサー測温部にのせ、はんだをこて先に供給します。
※こて先の形状によってこて先のあて方が変わります。
▼ センサー測温部へのこて先のあて方 ▲ センサー測温部へのこて先のあて方
- センサー測温部に対し、こて先を水平にのせます。
- こて先はんだめっき部の中央をセンサー測温部にのせます。
- こて先をセンサーに軽くのせて測定します。
センサー切れの要因となるのでこて先をセンサーに強く押しつけないでください。
OK
NG
※写真のセンサーは旧センサー(品番 191-212 )です。
温度が安定するまでこて先を動かさないでください。
測定はエアコンなどの風があたらない場所でおこなってください。
こて先形状別の測定例
B型・I型・D型 の測定例
(はんだめっき部の中間で測定)
BC型・C型 の測定例
(面のみはんだめっきも含む)
- 表示値を読みます。
- 2~5を繰り返し、一番高くでた温度を確認します。
設定温度と測定温度が大きく異なる場合
▼ 設定温度より測定温度が高い場合 ▲ 設定温度より測定温度が高い場合
温度補正(オフセット値入力 / CAL調整)をしてください。
オフセット値の設定
オフセット値の算出方法
- こて先温度を測定し、『設定温度』と『こて先温度』の温度差を確認します。
- FX-951 本体にカードを挿入し、“ # ”ボタンを押して現在のオフセット値を確認します。
- 現在のオフセット値(2)と現在の温度差(1)から新しいオフセット値を算出します。
オフセット値 + 温度差 = 新しいオフセット値
例)設定温度: 360ºC こて先温度: 395ºC
オフセット値: 10の場合
- 温度差
360ºC - 395ºC = -35ºC
- 新しいオフセット値
10 + (-35ºC) = -25
⇒ 新しいオフセット値として「 -25 」を入力します。
例)設定温度: 360ºC こて先温度: 320ºC
オフセット値: -20の場合
- 温度差
360ºC - 320ºC = 40ºC
- 新しいオフセット値
-20 + 40ºC = 20
⇒ 新しいオフセット値として「 20 」を入力します。
CAL調整
CAL調整はドライバーなどの工具を差し込み、CALツマミを調整します。
ツマミを右に回すと温度があがり、 左に回すと温度が下がります。
▼ 設定温度より測定温度が低い場合 ▲ 設定温度より測定温度が低い場合
点検2. リーク電圧の測定
リーク電圧の測定方法
- 測定するはんだこての電源プラグをHAKKO FG-101B本体のコンセントに差し込みます。
- SELECTボタンを押してモード表示 ”mV ” にします。
- AUTO ZEROボタンを押して、通常表示に戻るまで待ちます。
AUTO ZEROによる補正値は本体に記録されるので、電源を切っても補正値は次回からも有効です。
- こて先が設定温度に到達するまで待ちます。
- こて先をクリーニングして新しいはんだをのせます。
- 伝導プレートの中央部にはんだを盛り、良好なはんだぬれが形成されるまで加熱します。
- 表示値が安定したら読み取ります。
▼ リーク電圧が高い場合 ▲ リーク電圧が高い場合
長期使用によりヒーターが劣化(酸化)したりするとリーク電圧が高くなり、はんだ付け時にこて先から基盤や部品へ電流が漏れて悪影響を及ぼします。
点検3. こて先 - アース間抵抗の測定
こて先 - アース間抵抗の測定方法
- 測定するはんだこての電源プラグをHAKKO FG-101B本体のコンセントに差し込みます。
- SELECTボタンを押してモード表示 ”OHM ”にします。
- AUTO ZEROボタンを押して、通常表示に戻るまで待ちます。
AUTO ZEROによる補正値は本体に記録されるので、電源を切っても補正値は次回からも有効です。
- こて先が設定温度に到達するまで待ちます。
- こて先をクリーニングして新しいはんだをのせます。
- 伝導プレートの中央部にはんだを盛り、良好なはんだぬれが形成されるまで加熱します。
- 表示値が安定したら読み取ります。
▼ こて先 - アース間抵抗が高い場合 ▲ こて先 - アース間抵抗が高い場合
こて先・保護パイプ・袋ナットなどに酸化物・フラックスが付着したのが原因でこて先 - アース間の抵抗が高くなります。
こて先 - アース間の抵抗が高くくなると、リーク電圧が高くなる原因にもなります。