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第8話 「横尾さんとの再会」の巻
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横尾さん するとじゃ、溶けて液体になった部分は隙間の奥に流れ込むが、溶け残った部分は取り残されてしまうんじゃよ。これを溶け分かれというんじゃが、これが起こると接合部分の強度や耐腐食性が悪くなってしまうんじゃ。
ヒカル君 なるほど。イメージつかめてきましたよ。
金属同士のあいだにはんだが流れ込んだ状態。
横尾さん 液体から固まるときも同じじゃ。一見固まったと思っても実はまだ固まっていなかったりするんじゃ。そのときに動かしてしまうとはんだ付け不良になってしまうんじゃよ。共晶というのはそもそも融点が一番低くて溶ける温度と固まる温度の差がない組成のことをいうんじゃ。だから、純物質と同じで、一定温度で瞬時に溶けるし瞬時に固まるんじゃ。これでわかったかな?
ヒカル君 よく、分かりました。
横尾さん よしよし、なかなか飲み込みのいい奴じゃな。話のついでに鉛フリーはんだについてちょっと説明しておくかのう。
おい、ヒサシ君。
ヒカル君 ヒカルです。
横尾さん なんじゃ、いちいち細かい事を言うな。君はなぜ鉛フリーはんだが必要かわかるかな?
ヒカル君 それは、鉛が体に悪いからじゃないですか?
横尾さん そうじゃ、鉛は人間の中枢神経を侵す毒性を持っておるんじゃ。でもな、昔はおしろいや顔料として鉛が使われておったんじゃよ。まあ今ではその毒性が確認されて使われなくなったがね。当時は歌舞伎役者さんにとっては職業病みたいなもんだったんじゃな。
ところで、昔は水道管にも鉛が使われてたんじゃが、知っとるかね。
ヒカル君 えー!?それって、ものすごく危険な事なんじゃないですか?
横尾さん ところがそうでもないんじゃな、これが。水の中に溶けている炭酸や酸素と鉛が結びついて、2PbCO3・Pb(OH)2という鉛化合物の皮膜が、鉛管の内側に形成されるんじゃ。この化合物は水に溶けない性質をもっておってのう。この皮膜が、鉛が水に溶け出すのを防いでおるんじゃよ。昔は水道水もきれいじゃったからのう。
ヒカル君 今でも、水道管に鉛って使われているんですか?
横尾さん 今では使われておらん。水質が悪くなったからのう。殺菌剤が多量に使われるようになって、鉛管の内面に皮膜が形成されにくくなってしまったんじゃよ。
ヒカル君 そうだったんですか・・・
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